ありえない遅れ方をしてるのに、ファンから応援の声が殺到 「ガルパン進行」
「ガルパン進行」(ガールズ&パンツァー進行) もしくは 「ガルパン状態」 とは、アニメ の制作が遅れに遅れ、まともなスケジュールでまともな放映・リリースができていない状態、あるいはそうした状態であるにもかかわらず見守る ファン から批判らしい批判や ネガティブ な意見もなく、何となく受け入れられている、むしろ応援され強い支持を受けるという、不思議な状態をあらわす独特な オタ用語 です。 スケジュールが遅れながらも作品クオリティにこだわって、手を抜かない態度をあらわす場合もあります。
元ネタ は2012年10月〜12月にかけて放映されたアニメ 「ガールズ&パンツァー」(GIRLS und PANZER/ ガルパン) の制作の遅延、及びそれによって本放映中に2話分のエピソードが放映できずに物語がまとまらなかった事件に由来します。 アニメの制作の遅れはままあることとはいえ、1クール (12話) で2話 落とし、ここまで制作が遅れ放映に穴が空くことも珍しく、ガルパン進行や状態と一部で呼ぶようになりました。
またこれが転じて、締め切り に間に合いそうにない人が、「手を抜かずしっかり仕事してるから多少の遅れは見逃してくれ ><」 との意味で図々しく使う場合もあります。
作品のクオリティの高さ、ファンサポートで、むしろ評価が上がる
公式サイトに掲載されたお詫び 「ガールズ&パンツァー」第10.5話の放送と 今後の展開に関するお知らせ」 |
監督 水島努さんのブログ 「月夜の上機嫌」 にはお詫びが掲載された (2012年12月15日) コメント欄にはファンからの応援が殺到した |
アニメの制作が遅れ、途中で間に合わせの総集編が挿入されたり、知り切れトンボのような状態で放映が終了してしまうケースは過去に何度もあります。
スケジュールが遅れていることから作品クオリティも一般的に低くなりがちで、俗にいう ヤシガニアニメ の状態 (作画破綻) に陥る場合もあります。 未完成状態のまま放映やリリースとなると、ガンドレス状態や ごらんの有様だよ!!! などと揶揄されることも。
また意図するしないに関わらず作品が本放映期間に完結しない場合に、残った数話を有料の ブルーレイディスクや DVD、劇場版の映画で補完するケースもあります。 しかしこうしたやり方は、「続きを見たかったら金を出して見ろ」 的なイメージから極端に嫌われ、あのね商法 などと呼ばれて批判の対象になりがちです。
ところがこの 「ガールズ&パンツァー」 の場合は、そのいずれにも該当しませんでした。 遅れがちな進捗状況を事前にきちんとファンらに伝えた上で、放映できなかった2話はおよそ3ヶ月遅れの特別番組としてしっかり放映するとアナウンスしており、またテレビ放映だけでなく、ネット などで無料視聴ができる 環境 も 整え ていました。
そして何より、全体の作品クオリティがあまりに高かったことが、「制作の遅れ」 を批判する声があまり出なかった、最大の理由でしょう。 むしろ 「これで更に完成度が高くなった作品になるのでは?」「こだわりの制作を支持し応援します」 との、期待感と評価が盛り上がる結果になっていたといって良いでしょう。
もちろん本来のスケジュール通りに制作と放映を行うのが最善ではありますし、「それでもプロの仕事か」 といった批判もなかったわけではありませんが、マニアックな作品なだけに、視聴者も よく訓練されたファン で、少々のことでは動じないという部分もあったのでしょう。
設定 やストーリーはかなり無茶で多少は視聴者を選ぶものとはなっていましたが、作画や演出が良く、また登場人物が多いことから声優陣も質量共に豪華で、「むしろこんな作品をこの品質で 商業 ベースで作ってしまったこと自体に敬意を払う」 との空気も、かなり強いものとなっていました。 まぁ ミリタリー に興味がなかったり、内容は 王道 のスポ根ものでありながら、ぶっ飛んだB級的設定を受け付けない人も多いので、ダメな人は本当にダメみたいではありますが。
ファンの期待を裏切らないクオリティがあれば、遅れごときは問題外?
「ガールズ&パンツァー」 |
おたく が好む軍事ネタの中でもアニメや マンガ では他兵科と比べなかなか脚光を浴びることが少ない 「戦車」。
その戦車の縦横の活躍 (タンクアクション) を全面に押し出したこの作品は、第二次大戦終結の日までの実在戦車を使った架空の競技 (武道)、「戦車道」 に青春と学校の未来をかける女子高生たちを描いた物語となっています。
2Dキャラとよくマッチする3Dで再現された戦車は緻密でスピード感にあふれながらも重厚感があり、ディティールもバッチリ。 また キャラクター の原案はこの手の ネタ では絶大な支持を得ている 島田フミカネさん (総作画監督・キャラデザ は杉本功さん、構成・脚本は吉田玲子さん、3D監督は柳野啓一郎さん)。
仮にスケジュールに多少の遅れが出ても、面白くしっかりした物を作ればファンはきちんと評価してくれる。 ネット配信ではスタッフが解説を ツイッター で行うなど、制作者とファンとの距離が近い作品だったこともあるのでしょうが、「ガールズ&パンツァー進行」 は、そんな両者の珍しい関係がかいま見える、面白い言葉と云えるでしょう。
貴重な戦車ものアニメ
いやまあ実際、第6回放映で総集編 (「紹介します!」 と題したキャラクター紹介と5話までの振り返り、5.5話) が流れるのもかなりアレなんですが、第4話 「隊長、がんばります!」 の戦車戦 (とくに市街戦) などを見ちゃうと、変なことで 叩いて 続編がなくなるより、応援したくなっちゃうんですよね… w あと第10話で、大洗女子学園の選手がそれぞれの場所でめいめいにゲン担ぎのカツを食べているところとか、みんなの心がひとつに…ってだけでなく、いかにも日本人っぽくて、泣けてきました。
ミリタリー関係では戦車は模型を中心にとても強い人気があるのですが、日本では軍艦における戦艦大和、航空機における零式艦上戦闘機 (ゼロ戦) のような、日本人なら誰でも知っているような輝ける存在に恵まれていないこと (人気のあるドイツ戦車をメインにすると、ドイツ人によるヨーロッパ戦線のお話になってしまう)、またメカが複雑で描きにくいこともあり、アニメなどでは作品数がどうしても少なくなりがちです。
物語の中心となっている大洗女子学園チームも旧日本軍戦車がいるものの、ドイツ戦車・突撃砲を主力にチェコ、フランス、アメリカなどの戦車の寄せ集めとなっており、無茶な設定でこうした問題をクリア (別学園では純和風 九七式中戦車チハ中心の知波単学園もいましたが、重戦車ティーガー、中戦車パンターなどドイツ戦車で固めた黒森峰女学院相手ではさすがに一回戦敗退)。 そもそもこうしたジャンルの作品が極めて少ないこともあり、とても貴重なタイトルとなっています。
とりあえず秋山優花里はイイ!
念のため 筆者 の立場を申し添えておきますと、キャラは10.5話まで見終わった時点の総合点で圧倒的に秋山優花里が好きです。 グデーリアン優花里 かわいいよ 優花里。 菱型の髪型も慣れました。 菱型の髪型じゃなきゃダメです。 やっぱ戦車は菱型からです。
一目惚れキャラは磯辺典子、ごひいきチームは典子がキャプテンでチイたんも可愛いアヒルさんチームです。 第4話の立体駐車場での 「そ〜れ」 とED、第6話の鬼ごっこは100回見ました。 第9話の 「そ〜れそれそれ」 は200回見ました。 OPでアヒルさんチームの扱いが悪いのは正直腹に据えかねてます。 うちの典子の出番が少ないのはどうしてなんですか先生! PTAでも教育委員会でも、出るとこ出てもいいんですよ!? 本編中にやたらアップがあるから我慢していますが、そうでなきゃ訴訟です。 あとは一部の 巨乳 要員以外のキャラのおっぱいが全体的に小さければ文句はないんですが…ていうか、つるぺた の要員少なすぎだろ… あああん・あああん・あんあんあん。
2013年3月の11話・12話が楽しみです。
最終回視聴…明日から何を楽しみに生きて行ったら(ry
ガルパンで盛り上がる茨城県大洗町 駅構内には特設の展示コーナーなども |
作中に登場した場所には、ファンが引きも 切らず訪れる (大洗 割烹旅館 肴屋本店) |
11話・12話見ました。 最高でした! いや、特殊カーボンコーティングはどんだけ特殊なんだよとか、自動車部どんだけ技術力世界一いぃぃぃなんだよとか、黒森峰学園どんだけ機材と物量ありきの力押しチームだよとか、突っ込み どころもあるにはあるけど、伏線回収や終わり方も含め、やっぱり王道はいいなって感じです。
ここ最近、ここまで次の話が気になって、画面凝視状態で夢中になったアニメはなかったっす。 11話の八艘飛びと最終回桃ちゃんのところでは思わずもらい泣きしてしまいました。
生徒会 チームの奮戦や1年生チームの成長ぶり、レオポンさんチームの立ち往生もグッときますね。 もちろん 「嫌です、それに八九式は軽戦車じゃないしぃ↓」「中戦車だしぃ↑」 は1,000回見ました。
それにしても、手に汗握るアクションあり、笑いあり、涙ありで、本編のデキ以外にも、たった12話でここまでおかしな設定で、それでこんな面白いアニメが作れるんだって感動すらあります。 OP曲・ED曲もBGMも出色の出来だし。 お風呂シーンはあるものの、変なお色気シーンがなかったのも 清潔感 があってよかったです。
設定上、二期はきついような気がしますが、外伝 でも劇場版でもミュージカルでも何でもいいので、ぜひ次の展開を期待します。 その後、アニメ本編中で思いっきり端折られてしまっていたアンチョビ率いるアンツィオとの試合がOVAで作られるとアナウンスされ、さらに2014年公開予定の完全新作映画もあるとのことで、とても楽しみです。
あと、大洗町も最高でした。