同人用語の基礎知識

壁掲示板

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ある意味ネットの解放区… 「壁掲示板」

 「壁掲示板」「壁」 とは、パソコン通信 の各種メニューやフォーラムやシグと云った BBS (掲示板・会議室) の集まりの表示、その下の階層で特定の ジャンル や細かい カテゴリ ごとに板を分けた際の板やメニューの視覚的な 「区切り」 として設けられる 「中身のない板」 のことです。 板の名前も見た目で上下を区切るため 「*********」「=========」「━━━━━━」 などになっている場合も多く、一覧表示した際に壁として機能させるためだけの存在となります。

 本来はただの区切り、目印のようなものなので中身はなく、設定 によって 書き込み などの利用ができないようになっている場合もあります。 しかし中には、設定忘れあるいは意図的な未設定によって書き込みができる場合もあります。 その場合、ある種の無礼講的な解放区、自由に フリートーク が書き込める雑談掲示板として機能し、どうでもよい ゴミ 発言やイタズラ書き、独り言なんかが適当に書き散らかされていた場合もあります。 それがまたわりと面白かったりしました。

 内容的には今で云う 2ちゃんねる などにおける 「クソスレ」(クソ みたいな スレッド) みたいなものですね。

壁掲示板表示例

同人用語の基礎知識フォーラム

(.^-^)/ Welcome to DOUJIN YOUGO FORUM [DYF] \(^O^.)

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3. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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7. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 この例では、「3.」 と 「7.」 の 「━━━━」 部分が壁掲示板となります。

あくまで非公式、暗黙の了解の元での 「書き捨ての場」

 パソ通の時代は、その後の インターネット の時代と違い、接続のための通信費がかなり高額でした (みかか代)。 また PC-VANニフティサーブ (NiftY-Serve)、アスキーネット といった商業ホスト局では接続に 課金 も必要でした。

 加えて人気フォーラムやシグは利用者も多く、掲示板ごとにかなり厳格な書き込みルールがありました。 基本的に 既出 (以前出た話題) は避ける必要がありますし、オフ会 やそれに近い オフライン の話や個人的な話 (オフネタ) も避けるか、それ用の掲示板以外の書き込みは禁止だったりします。 脱線ネタ (板の趣旨以外の話題) も、話の流れ上やむを得ない場合の最小限度のものを除き、強く避ける必要がありました。

 しかしそれでも、オフネタや脱線ネタは面白かったり盛り上がったりもしますし、ちょっとした一発ギャグ、自分語り萌え語り をしたくなることもあるでしょう。 どうしてもしたければ場所を変えるべきですが、いつものフォーラムやシグの仲間に対して、そうした話をしたい場合だって人間なんですからたまにはあるでしょう。 また場合によってはある種の 「ガス抜き」 の場、あるいはやっかいな利用者や書き込みを 隔離 するような必要も生じました。 そこでこうした 「壁掲示板」「壁」 が 運営側 からの非公式・黙認の場として開放され、利用されるケースがありました。

 チャット などと同様、過去ログは原則として取得・保存せず、書き捨てで利用されるのが前提で、レス などが付けられない場合もあります。 このあたりは、正規の掲示板では考えられない管理のゆるさです。 一部の集まりの場では無法地帯化して違法・不法な書き込みがされる場合もあり、手動で不適切な書き込みを消す作業が必要だったり、壁自体を 公式 なものにしてルールを設けたり、あるいは逆に廃止されることもありましたが、表の掲示板では書けないような ネタ が突然 投下 されてすぐに消されることもあり、見逃さないようにずっと張り付いて情報収集している熱心な利用者も結構いたようです。

 とくに活発に利用される時間帯はおおむね電話代が定額となるテレホーダイの範囲 (テレホタイム/ 23:00〜翌08:00) でしたが、その時間帯は当然監視の目も強いので、あえて時間をずらすようないたちごっこもありました。

 筆者 も自分が登録したり参加していた興味があるフォーラムなどの類似の場へせっせと通いましたが、あくまで非公式のものであり、また書き込み内容を保存したり外に出すのも無粋な行為、マナー違反なので、内容はもちろん場所の話も詳しくは書きません。 あくまで裏のような存在ですが、まだまだ ネット がごく一部の人たちのものだった時代、マニアックな 草ネット ともども、刺激的な情報 (ただし正しいかどうかはわからない) に触れるのは、ちょっとしたわくわく感がありましたね。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 1998年11月28日)
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