エロジャンルなら、人気カップリングなら… 「◯◯なら壁」
「◯◯なら壁」 とは、マイナーな ジャンル で活動している 同人サークル に対し、「人気のある◯◯のジャンルで活動すれば、コミケ で サークルスペース が 壁 に 配置 される」 すなわち 「人気サークルになれる」 と表現して、その実力や才能を評価する言い回しです。
例えば 健全系 の活動をしているサークルに対して、「エロなら壁」 という場合、健全系より注目度や 頒布数 を稼ぎやすい 18禁 の エロティック なジャンルで活動すれば、もっと 同人誌 も売れて 大手サークル になれる、その実力は十分にある、との意となります。
また自分が好きな 絵師 やサークルの 同人作家 が、自分の好きなジャンル (メジャーなジャンル) で活動していない場合、「こちらに来れば壁になれますよ」「実力があるのにもったいない」 とおだてる形で、「自分の好きなジャンルで創作して欲しい」 といった誘いや 煽り の意味がつく場合もあります。 まるっきり無関係のジャンルから引っ張ってくるのは大変でしょうが、傾向が似ていたり、カップリング の キャラ や方向性が違うだけなら、けしかけるメリットも十分あるでしょう (逆効果になる場合も多いような気もしますが)。
一方、サークルの配置位置や同人誌の売れ行きだけを価値あるものと判断しているようなこうした表現を嫌う同人サークルの人間も少なくなく (売上最優先の イナゴ (175) と同一視されたくない、など)、褒めるどころか、相手の機嫌を損ねる場合も多々あるので、使い所は少々微妙です。 「本が売れるかどうかではなく、自分が好きかどうかが モチーフ を選ぶ唯一の基準」 の作家にとっては、「この人は私や私の作品が理解できてない」 と、失望させるキッカケになったりもします。
他人が褒めるために使う一方、自称するケースも
一方、こうした表現を自称するケースもあります。 「自分の本が売れないのはマイナージャンルで活動していて潜在的な ファン や 読者 が元々少ないせいだ」「自分の実力ではなく、環境 や条件が悪いだけだ」 というわけです。
同人 の世界では、サークルの画力や 絵 の傾向、物語を作る能力よりも、むしろどのようなジャンルで創作しているか、二次創作 の場合なら 元ネタ となる アニメ や マンガ、ゲーム の人気がモロに影響しがちです。 これは売れないサークルによる人気サークルへの僻みや負け惜しみだという面だけではない部分もあります。
とはいえこれを本人が言い出すと、外からは負け惜しみ以外の何ものにも見えなかったりもするので (だったらそのジャンルでやってみればいいじゃんと 突っ込まれ ておしまい)、あまり表立って主張することはなく、せいぜい 同人イベント が終わった後の打ち上げなどで、少々お酒が入ったら友人相手に出てくるかも知れない程度の話でしょう。